SaaS操作マニュアルを外注する前に|費用・範囲・見積りで確認する8項目
操作マニュアルの見積りが比較しにくい主因は、発注先より先に「何を、どこまで、どの状態で納品するか」が決まっていないことです。ページ数だけを伝えると、構成設計、画面確認、画像加工、初見テスト、修正のどこまでを含むかが依頼先ごとに変わります。
この記事では、SaaS・管理画面・社内ツールのマニュアルについて、見積り依頼の前に決める8項目を整理します。最後に、内製・外注・共同制作のどれを選ぶか判断できる形にします。
サービス案内について
この記事では判断材料を示した後に、ツキラボが提供する操作マニュアル制作サービスを1件案内しています。アフィリエイトリンクは含みません。
最初に結論:費用は「ページ数」だけでなく作業範囲で決まる
同じ4ページでも、構成と文章が完成している案件と、画面録画から操作を分解する案件では必要な作業が異なります。先に次の判断表を埋めると、見積りの前提をそろえやすくなります。
| 確認軸 | 費用を抑えやすい状態 | 作業が増えやすい状態 |
|---|---|---|
| 対象範囲 | 1ツール・1業務フロー | 複数ツール、複数部門、分岐が多い |
| 元資料 | 現行画面と確定手順がある | 録画や口頭説明から構成する |
| 画像 | 権利確認済み・機密除去済み | 撮影、加工、差し替えが必要 |
| 検証 | 担当者が現行画面で確認できる | 権限別・端末別の確認が必要 |
| 納品形式 | PDFと既定テンプレート | 複数形式、独自デザイン、動画も必要 |
1. 誰が、何を終えれば完成かを一文にする
最初に「誰が」「どの開始状態から」「どの完了状態まで進むか」を一文にします。例えば「初めて管理画面を使う店舗担当者が、月次レポートをCSVで保存できるまで」のように書きます。対象者と完了条件が曖昧なままでは、用語説明やFAQの量を決められません。
- 想定読者の役割と経験
- 操作を始める画面と必要な権限
- 完了時に表示・保存される結果
- 対象外にする設定や例外処理
2. 1ツール・1業務フローへ範囲を切る
「このSaaSのマニュアル全部」ではなく、ログイン後の一連の業務へ切り分けます。範囲が大きい場合は、利用頻度や問い合わせの多さから優先順位を付け、最初の納品物を小さくします。
受注一覧を開く、条件で絞る、CSVを出力する、保存結果を確認する。
アカウント発行、権限設計、売上集計、外部システム連携、障害対応。
小さく切る目的は文章量を減らすことではなく、依頼者と制作者が同じ完成条件を持つことです。
3. ページ数・画像数・納品形式を決める
見積り時には、希望ページ数だけでなく、画面画像の上限、FAQ数、納品形式、更新に使う元データを伝えます。PDFだけでよいのか、後で社内修正できるWord等も必要なのかで納品作業が変わります。
- 表紙をページ数へ含めるか
- 画面画像を何点まで使うか
- FAQと注意事項を何件含めるか
- PDF、Word、社内テンプレートなど必要な形式
- 更新履歴、対象バージョン、確認日の記載方法
4. 元資料・画像の権利・機密情報を整理する
制作前に、操作メモ、画面録画、スクリーンショット、用語集、既存FAQをそろえます。画面画像は依頼者が利用権を確認し、顧客名、メールアドレス、ID、APIキーなどを削除またはダミーへ差し替えます。ログイン情報そのものを制作会社へ渡す前提にしない方が安全です。
- パスワード、APIキー、秘密鍵
- 実在顧客の個人情報
- 第三者から転載許可を得ていない画像・ロゴ
- 社外共有を禁じられた画面やデータ
5. 対象バージョン・権限・検証方法を決める
SaaSは画面や文言が更新されます。見積り依頼時点で、対象サービス名、対象バージョンまたは確認日、利用者の権限、PC・スマートフォンなどの利用環境を明記します。操作結果は、依頼者側の検証環境で確認できる担当者を決めます。
Microsoftの手順作成ガイドでは、複数手順を番号付きで示し、混同しそうな場合は操作場所を先に伝え、一つの手順へ一つの主操作を置く考え方が示されています。発注時にも「どこで、何をして、何が表示されれば完了か」を確認できる資料があると、文章の再現性を高めやすくなります。
6. レビュー担当者と検収条件を決める
制作担当者だけの確認では、社内用語や前提知識を見落としやすくなります。対象業務を知る担当者に加え、可能なら初めて読む人を1人決めます。検収条件は「きれいに見える」ではなく、次のように観察できる形にします。
- 開始画面から順番どおり操作できる
- ボタン名と画面上の文言が一致している
- 完了結果と停止時の確認先が分かる
- 見出しだけを追って目的の手順へ移動できる
- 意味のある画像に説明があり、画像だけへ情報を閉じ込めていない
W3Cは画像の役割に応じた代替テキストを案内し、複雑な情報はページ内にも示す考え方を示しています。デジタル庁もPDFの読み上げ、画像の代替テキスト、見出しタグをアクセシビリティ対応として説明しています。
7. 納期・確認日・修正回数を分ける
「7日で納品」のような表現だけでは、素材待ちやレビュー待ちを含むか分かりません。次の四つを分けて合意します。
- 必要素材が確定する日
- 初稿を受け取る日
- 依頼者が確認結果を返す日
- 修正版と最終版を受け取る日
修正回数だけでなく、誤記修正、画面差し替え、構成変更のどこまでを同じ「1回」に含むかも確認します。対象範囲そのものが変わる場合は、追加作業として見積りを分ける方が双方に明確です。
8. 同じ条件で見積りを比べる
見積りを依頼するときは、各社へ同じ依頼文を渡します。金額だけでなく、含まれる工程、納品物、修正、検証、機密情報の扱いを並べて比較します。
- 対象:[ツール名/業務フロー]
- 読者:[役割/経験/権限]
- 完了条件:[何ができれば完了か]
- 希望量:[ページ数/画像数/FAQ数]
- 元資料:[メモ/録画/画像/既存資料]
- 納品形式:[PDF/編集可能データ]
- 確認体制:[業務担当者/初見レビュー担当者]
- 希望日:[素材確定/初稿/最終納品]
内製・外注・共同制作の選び方
| 方法 | 向いている状態 | 先に確認すること |
|---|---|---|
| 内製 | 業務担当者に執筆時間があり、更新頻度が高い | 構成テンプレートと第三者レビューを用意できるか |
| 外注 | 対象範囲と元資料が確定し、制作時間を切り出したい | 検収担当者と権利確認を依頼者側で持てるか |
| 共同制作 | 業務知識は社内、構成・文章・図版は外部へ分けたい | 質問回答と画面確認の担当者を決められるか |
ツキラボの現行プランで費用を確認する
ツキラボの公開中サービスは、2026年8月24日時点で、基本版15,000円と10ページ標準版30,000円です。基本版は1ツール・1業務フロー、A4最大4ページ、画面画像最大5点、FAQ最大3件、PDFと編集可能なWord、修正1回を範囲としています。標準版はA4最大10ページ、画像最大15点、FAQ最大8件、修正2回です。
複数ツール、複数業務フロー、上限を超える画像・ページ・修正、短納期などは購入前に範囲を確認します。対象システムへのログインや設定変更、パスワード・APIキー・実在顧客の個人情報の受領は行いません。
8項目をもとに対象範囲を相談する
対象ツール、読者、完了条件、ページ数、画像数、希望納期を確認し、基本料金に収まるかを購入前に整理します。4ページの公開見本も確認できます。
料金・見本・見積り相談の流れを見る公開前の最終チェック
- 対象読者と完了条件が一文になっている
- 1ツール・1業務フローへ範囲を切っている
- ページ・画像・FAQ・納品形式の上限がある
- 元資料の権利と機密除去を確認している
- 対象バージョン、権限、環境、確認日がある
- 業務担当者と初見レビュー担当者が決まっている
- 初稿、確認、修正、最終納品の日を分けている
- 同じ依頼条件で工程と金額を比較している
確認した情報
- Microsoft Writing Style Guide:Writing step-by-step instructions
- W3C Web Accessibility Initiative:An alt Decision Tree
- デジタル庁:ウェブアクセシビリティ導入ガイドブックのアクセシビリティ対応
- ツキラボ:SaaS・業務ツールの操作マニュアル制作
料金・対応範囲・SaaSの画面や仕様は更新される場合があります。依頼時には、サービスページと対象ツールの公式情報を確認してください。